平成12年11月15日号 
生活習慣病という言葉

内分泌代謝科 平尾 紘一

 最近「成人病」という言葉を「生活習慣病」と呼ぶようになりました。これはなぜでしょうか。

 日本の食習慣・労働の変化

 図に示すように日本人は40数年前には、こめ・いも・かぼちゃ・むぎ・そばなどほとんど糖質(炭水化物)が主体で、おかずには味噌汁・お新香など高食塩で、蛋白質といえば大豆製品か魚(主に小魚)でした。あとは野菜が主で、料理法としても油で処理するものはとても高価でした。果物もなかなか口にはできませんでした。ところが最近は炭水化物が減少し、油で処理したものが増え、大豆、魚が減少してきました。それに野菜も生野菜が多く(生にすると大量に食べられないし、ドレッシングとかマヨネーズのような油をかけてしまう)、日本的な茹でる・焼く・にっころがしにするなどの調理法が減ってしまったのが特徴でしょう。そして運動量が激減しました。

 生活習慣の変化で病気はどのように変わったのでしょう

 古い日本の生活習慣では、感染症が多く、痩せが多いし、塩分由来の収縮期高血圧が圧倒的でした。さらに貧血が多く、栄養不良でした。その時代には脳血管疾患は脳出血でした。心疾患も高血圧性心不全でした。癌といえば胃癌・子宮癌が圧倒的でした。欧米人と全く別でした。その原因は人種の差と考えていました。ところがアメリカに移住した日本人三世が欧米人の病気に罹ること、そして最近の日本人は欧米人の疾患へと変化してきました。つまり、糖尿病・高尿酸血症・拡張気高血圧・高脂血症・肥満などが増え、死因としても、脳梗塞・心筋梗塞・大腸癌・乳癌・肺癌・前立腺癌などまさに欧米人の病気です。つまり生活習慣が病気を作ってきていることがお分かりでしょう。以上で生活習慣病の話しは終わります。


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