循環器内科 笹本 みゆき
最近まで「成人病」と呼ばれていた高血圧、糖尿病などが厚生省の提唱により「生活習慣病」と改められました。高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満・喫煙などが同時に複数存在することにより、心臓病(狭心症、急性心筋梗塞)の発症率を数倍にも上昇させる事がわかっています。
なかでも高脂血症は動脈硬化を起こす危険因子として詳細なメカニズムから治療目標値までがきちんと明らかにされている重要因子です。総コレステロール値上昇・LDHコレステロール値(悪玉)の高値・HDLコレステロール値(善玉)の低値・中性脂肪値上昇のいずれもが心臓病を増加させることが明らかにされています。コレステロールの低下療法(生活・食事・薬物等による)は、心臓病の予防効果が確認されています。動脈硬化の進行を遅らせるのみならず、動脈硬化病変を退縮させられるという、積極的な効果もあることがわかっています。
続いて高血圧ですが、最近のガイドラインでは、140/90mmHg以上を高血圧、120/80mmHg未満を至適血圧としています。アメリカで行われた調査では血圧が120/80mmHgを超えると脳卒中、心臓病が増加し、拡張期血圧(下の血圧)が90〜104mmHgの人は80mmHg未満の人に比べ、脳卒中、心臓病をおこす危険が二倍になったとの報告があります。
さらに1999年に診断基準が引き下げられた糖尿病についてですが、動脈硬化の進行により種々の合併をひきおこします。心臓病については冠動脈の主要な三本の血管がすべて障害される三枝病変の割合が高く死亡率が高いことが知られています。合併症による神経障害のため、自覚症状があらわれにくく、発見が遅れることが多く、厄介な危険因子となります。
いずれの危険因子も正常域の見直しや改善があり日々の生活習慣(食事、運動)の重要性が言われています。病気になってはじめて治すことよりも病気を予防していくことが重要なのです。
・