平成13年2月15日号 
多発性硬化症について

神経内科 古川 優子

 多発性硬化症というのは、急性に起きる視力低下や、物が二重に見える、手足が麻痺する、しびれなどの症状で始まり、回復と再発を繰り返す病気です。男女比は女性にやや多く、15歳から50歳位までの比較的若い人に発病します。はっきりとした原因は特定されていませんが、ウイルス感染をきっかけにして起こる異常な免疫反応が、脳脊髄の神経細胞をさやのように覆っている髄鞘という部分を壊してしまうために惹起されるという説が有力です。

 診断のためには、MRI、腰椎穿針、電気生理検査が有用です。

 治療法は副腎皮質ホルモン剤の点滴による大量療法が効果的です。症状がでてから時間がたっていなければ、ほとんど後遺症がなく回復する場合も多いようです。2・3週間の入院で治療できます。落ち着いたら内服薬にかえて、数ヶ月続けます。この間は通院が必要です。

 1回目の発作がおさまった後、数年以上も再発しないで経過する人もいますが、風邪などのウイルス感染を期に再発する場合もあります。再発時は、1回目の症状とは違うこともあります。おかしいと感じたら、すぐに受診して診察を受けて下さい。

 再発を繰り返す場合、次第に後遺症が残ってしまいがちです。その時は、インターフェロンや免疫抑制剤を使うことで、再発を起きにくくすることができると期待されています。


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