平成13年4月1日号 
不眠について

神経科 松澤 信彦

 当院神経科外来において不眠を主訴に受診される方が半数以上占めております。なかには不眠もしくは過眠によって就業や就学が困難となり、遅刻・欠勤・不登校といった問題が生じ、社会生活から退却する深刻な例も稀ではありません。不眠の原因、症状を認識し、どの様に対処したらよいか参考にして下さい。

不眠の原因には、精神的要因(ストレス、精神疾患)、生活リズム(残業、交代勤務、育児)、身体的要因((睡眠を妨げる基礎疾患の存在、呼吸器疾患、循環器疾患、内分泌疾患など)、服用中の薬剤(アミノフィリン、ステロイド、エフェドリン)、睡眠環境(騒音、明るさ、温度など)、嗜好品(アルコール、コーヒー、紅茶、たばこ)などがあり、安易に睡眠導入剤を使用せずとも原因を除去または軽減することで改善されることがあります。しかし四週間以上続く不眠や生活習慣の是正やストレスの緩和が困難な場合は睡眠導入剤を使用します。使用の際は医師の指示どおりに服用し、自己判断で調整しないようにしましょう。健忘や脱力などの副作用は睡眠薬の濫用やアルコールとの併用によるものがほとんどですので注意して下さい。不眠症をその症状によりおおまかに分類すると以下のようになります。

●症状による分類

◎入眠障害…床についてから一時間以上眠れないケース。不眠の中で最も多い症状で、ストレスや環境因による場合が多い。

◎中途覚醒…夜中に何度も目が覚め、その後は朝まで眠れない場合。

◎熟眠障害…睡眠時間の割には熟眠感が得られず、覚醒時に睡眠不足を訴えるもの。悪夢などをみるケースが多い。

◎早朝覚醒…明け方近くに目が覚め、そのまま朝まで眠れないと言うケース。高齢者の場合は加齢に伴う生理的睡眠パターンの変化によるものであることが多い。またうつ病の特徴的な症状でもあり、覚醒時に強い抑うつ感を訴えます。うつ病の場合、睡眠導入剤のみを服用しても改善しません。抗うつ剤との併用が必要になってきます。

当院神経科において以上のような症状に応じて生活指導や服薬指導を行っております。


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