神経内科 西田 陽一郎
「手がふるえてこまる」ということを経験したことがない方は、珍しいのではないのでしょうか?入学試験の時や結婚式場の受付で記名する時など、緊張すると多くの人は手がふるえても不思議はありません。しかし、緊張しなくても手が勝手にふるえてしまうため神経内科の外来を受診なさる方が大勢います。
皆さんの中には、手がふるえると聞くとパーキンソン病を思い浮かべる方もいるかと思います。しかし、実際の外来ではパーキンソン病よりもほんたいせいしんせん本態性振戦という病気がより多くを占めます。
ふるえの二大疾患とも言えるパーキンソン病と本態性振戦ではふるえの性質は全く異なります。一言で言うと、本態性振戦のふるえは、両上肢を前方に挙上した時に手や指が細かくふるえる、つまり一定の姿勢をとったときにふるえます。従って、字が書きにくい、箸が使いにくいなどの訴えになります。一方、パーキンソン病のふるえは手や足が安静時にややゆっくりとふるえて、姿勢をとると消えたり弱くなったりします。最初は自分では気付かず、周りの人に指摘される場合もあります。
この二疾患は軽症の際には治療を必要としません。しかし、ふるえがひどくなり本人が苦痛に思ったり日常生活に支障をきたすようでしたら、内服や脳手術などの治療の必要があります。
もちろん、ここに書いた二つ以外のふるえをきたす病気もたくさんあります。ふるえが気になったり、困ったりするようでしたら一度神経内科の外来受診をおすすめ致します。
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