平成13年10月15日号 
副乳

外科 竹中 晴幸

 26歳の美しい独身女性が外来を訪れました。20歳を過ぎたあたりから両方の腋が腫れぼったくなり、ときどき痛みだすと言います。本人はリンパ節が腫れているのではないかと心配しています。視触診しますと両方の腋に鶏の卵を半分にしたような大きさで、弾力のあるしこりが触れます。しこりの境界ははっきりしません。表面はすこしブツブツしています。よくよく聞くと腫れぼったさや痛みは月経前に強いようです。これは副乳と呼ばれるものです。本人も美容上、気にしないとのことで様子をみることにしました。

 人は犬、猫、豚のように哺乳類の一つです。字のごとく哺乳を行なう乳房を持っています。ちなみに豚は6対、12個の乳房を持っています。人は1対2個のみ発育し、他は胎児期に消失します。しかし人によっては、そのなごりがあり思春期以後に目立つようになってきます。これは副乳と呼ばれ、黄色人種に多いとされています。日本人の女性の約5%はこの副乳を持っているとも言われています。副乳は乳頭のみの場合、乳腺のみの場合、両方が存在する場合と色々ありますが、この女性は乳腺のみであったため、リンパ節の腫大と思われたのでしょう。乳頭のみの場合はホクロと思っている人も多いようです。通常は治療の必要はありません。一度、自分の体をその目で見て下さい。副乳が見つかるかもしれません。


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