平成13年11月1日号 
胃・食道逆流症(GERD)

消化器内科 前川 公男

 胃内容物の食道内への頻回の逆流によって生じてくる疾患として逆流性食道炎がよく知られていますが、逆流性食道炎だけでなく、胸やけなどの症状だけのものや呼吸器疾患、耳鼻科領域の疾患にも胃食道逆流により発症することが知られてきています。これらの一連の症候、疾患を胃食道逆流症( Gastro Esophageal Reflux Disease)と称されています。胃内容物、特に胃酸はpH2〜3の強酸でありこれが食道側へ逆流する事により食道壁のただれを来たし、さらに口側へ逆流することにより気管や口腔鼻腔咽頭の粘膜を荒らすこともあります。胃と食道の間の逆流防止機構として下部食道括約筋の働きがあり、胃内容物の逆流を防いでいます。この働きが弱くなって発症するとされていますが、肥満や便秘、お腹を締付ける衣服など腹圧があがる事でも発症します。典型的な症状としては、胸焼やけ、げっぷ、嚥下困難等がありますが、呼吸器症状として咳、特に臥床時のむせるような咳、耳鼻科領域の症状として喉の違和感などがまれに出現することがあります。

 胃・食道逆流と診断された場合、その多くが服薬だけでなく、生活習慣の改善でも症状の改善がみられることがあります。最近、どうも胸やけやげっぷが気になるような方も以下のことを心掛けてみるとよいでしょう。

1)横に寝るのは食後 2〜3時間してから。

 食後は胃液がたくさん分泌されるので、すぐに横になると胃液の逆流がおこりやすくなります。

2)寝るときは上体を高くして。

 就寝時に上半身を15〜20°ほど高くして寝ると胃液の逆流がふせげます。

3)ゆったりとした服装で。

 ベルト、ガードル、コルセットなどでお腹を締つけると腹圧が上昇し、胃液の逆流がおこりやすくなります。

4)肥満や便秘の解消を。

 肥満や便秘も腹圧をあげ、胃液の逆流の要因になります。

5)食事は少量で回数を増やして。

 一度にたくさん食べると、胃の中に食べ物の停滞する時間が長くなり、胃液の分泌量も多くなりまず。

6)刺激の強い食べ物は控えめに。

 刺激の強い食べ物は胃液の過剰分泌を来し、胃液の逆流が起こりやすくなります。


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