麻酔科 秋山 麻紀
麻酔科医となってから主に手術麻酔と癌性疼痛の治療に対して毎日麻薬を使用するようになりましたが、麻薬に対する誤解は未だに根強く続いている様に感じます。主に当院で使用している麻薬には天然のケシから作られるモルヒネ、合成麻薬であるフェンタニールとメペリジンがあり、準麻薬にはブプレノルフィン、ペンタゾシンなどがあります。
手術麻酔:外科では主にモルヒネまたはフェンタニールの硬膜外投与と全身麻酔の併用を行い、整形外科では主に高齢者の下肢手術において血圧の低下を避けるために少量のフェンタニールを用いた脊椎麻酔を行うことがあります。それ以外にも多くの手術においてフェンタニールを吸入麻酔薬に併用したり、完全静脈麻酔の場合はフェンタニールやケタミンを使用して術中術後鎮痛に努めています。
癌性疼痛:他科から依頼の場合、疼痛に対して非ステロイド系消炎鎮痛薬、モルヒネ(注射剤、経口剤)、鎮痛補助薬の種類や量の調節とその副作用(吐き気、便秘等)対策を積極的に行っています。合成麻薬であるフェンタニールはモルヒネに比較して副作用が少ない反面、注射剤しかないことや癌性疼痛に対して保険適応がないことが今まで問題でしたが、保険適応のあるフェンタニールパッチ製剤が発売され、四月から使用を始めましたが優れた鎮痛効果と簡便性を実現しています。
麻薬は正しい使用方法と適切な使用量を守れば安全な優れた鎮痛薬です。治療に麻薬を使用する場合に何か疑問点があれば麻酔科医にお尋ね下さい。
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