平成14年10月1日号 
急性陰嚢症 タマが急に脹れた!

泌尿器科 菅野 ひとみ

 大事なタマが急に脹れる症状を急性陰嚢症といいます。もし、あなたが若い男性であれば、迷わず泌尿器科専門医の所へ行ってください。特に眠っていて明け方急に腹痛や嘔吐などが起こり、よくよく見たら片方の陰嚢が痛くて脹れている、などという場合は要注意です。精索捻転の可能性があります。精巣(睾丸)の血管が急にねじれて、精巣へ血流が行かなくなり、放置すれば精巣はそのまま腐ってしまいます。発症後六時間以内なら手術によって捻転を戻し、精巣の腐るのを止められる可能性があります。発生のピークは十代です。

 急性陰嚢症とはちょっとちがいますが、陰嚢をぶつけて怪我をした場合も、精巣が傷ついたのに気づかずに我慢すると精巣は腐ってしまいます。早めに受診しましょう。

 急性陰嚢症で最も多いのは、精巣上体炎(精巣の上にある精巣上体という部分に細菌感染が起きたもの)です。陰嚢が痛くて、しこりがあって、そういえばだるくて熱があって、最近疲れていた、なんて場合は殆どこちらです。特に年配の方ならまずこちらです、これは抗生物質の投与でよくなります。ちょっと紛らわしいのが、おたふく風邪のあと一、二週後に精巣が脹れてくるムンプス性精巣炎。これは精巣そのものの炎症で、両側起こすと不妊症になる可能性がありますので、子供の頃おたふくをやらなかった男性は注意して下さい。

 最後に痛くなくてゆっくりタマが脹れるお話です。陰嚢を触ってぶよぶよしているようなら、まず陰嚢水腫です。水の貯まった袋を切除する簡単な手術で治ります。でも、もし痛くなくて石のように硬く精巣が触れたら・・・精巣腫瘍(癌)の疑いがあります。十代から三十代の男性が特に要注意です。すぐに泌尿器科医を受診してください。


次のお話し

ホームページへ