平成14年12月15日号 
在宅酸素療法

循環器内科 小澤 泰典

 在宅酸素療法とは高度慢性呼吸不全に対する治療法であり、特に近年、慢性呼吸器疾患のリハビリテーションの一環として、生命予後の改善をするだけでなく、QOL(生活の質)を改善する治療法として位置づけられてきています。昭和六十年に健康保険適応以来、急速に普及しています。

 在宅酸素療法の適応と禁忌を大まかにまとめると以下のようになります。

 *在宅酸素療法の適応

 @臨床的に安定した病態にあるが、酸素投与が必要で、家庭で酸素投与が受けられれば、入院を必要としないもの。

 A室内空気吸気時でPaO2(酸素分圧)が55mmHg以下のもの、および60mmHg以下では、睡眠時または運動時にさらにPaO2(酸素分圧)が低下するもの。

 B入院して、酸素療法を受けて、危険でないことが確認できたもの。

 C患者と家族の理解と協力が得られ、定期的な外来受診など必要に応じて適切な対策がとれるもの。

 *在宅酸素療法の禁忌

 @臨床的に症状または病態が不安定な場合。

 A酸素流量をしばしば変更する可能性がある場合。

 B酸素投与によりCO2蓄積が増悪する場合。

 C遠方のため、通院と緊急時の対応が困難と考えられる場合。

 在宅酸素療法は自宅に拘束されてしまうというわけではなく、専用の携帯型酸素ボンベもあるため比較的短時間であれば外出も可能です。必ずしも患者さんの行動を制限するものではなく、拡大できる部分を手助けする治療法と考えてください。


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