平成15年4月15日号 
ケロイドとは?

外科医師  渡辺 健児

 ケロイドとは手術・熱傷・予防注射・虫刺症など多様な原因でおこるミミズ腫れ状態となった皮膚の変化で、自分になくても誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

 外科医にとって皮膚は手術における通過点に過ぎず、傷跡が残ることは至極当然のことと考えがちですが、患者さんにとっては傷跡が一番大きな問題点だと思います。傷跡がきれいに治る人もいれば、ケロイド状態になり日常生活に支障をきたす人もいます。

 ではケロイドとは何故おこるのでしょうか?

 人間の体がケガをしてもくっつくのは針と糸で縫うからではありません。ケガをすると体が反応してそれをくっつけるための接着剤が出るからです。ケロイドというのはこの反応が強すぎて接着剤が多く出すぎてしまったために傷からあふれ出てしまった状態だと思ってください。

 ケロイドになりやすいのは体質?

 ケロイドには人種的要因がはっきりしており、有色人種は白人よりケロイドになりやすいと言われています。遺伝的なことははっきりとはしませんが家族的な要因はあるようです。男女差は無く、若年者に多い傾向があります。上腕部から肩にかけてが好発部位であり、予防接種の注射痕が一つの目安になります。また患者さんのアンケート調査では胸部外科手術の約半数、産婦人科手術の約3割が自分の傷跡をケロイドだと思うと答えており、我々が想像する以上に傷跡を気にしているようです。

 ケロイドの治療は?

 大別すると保存的治療と外科的治療があります。さらに保存的治療には薬物療法・放射線療法などがあります。保存的治療では自覚症状の改善は期待できますが、美容的に劇的な効果を期待するのは難しいようです。外科治療では時に劇的に改善しますが、かえって逆効果のときもあり治療の選択は簡単なことではありません。

 外科医にとって皮膚切開後の傷跡への挑戦は永遠のテーマであり悪性腫瘍の治療と同様、時にはそれ以上に困難であり、できる限り傷跡を目立たなくするような手術を日々心がけたいと思っております。


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