神経内科医師 三明 裕知
脳卒中は日本人の死因第三位となっている疾患です。また、重篤な後遺症が残ることもあるため、その後の生活を左右することになることにもなりかねません。では脳卒中とはどのような病気なのでしょうか。脳卒中とは病名というより病態の相称で、脳の急激な循環障害による症状で、くも膜下出血・脳内出血・脳梗塞の三疾患が含まれます。それぞれに治療法等も異なるためそれぞれ次に述べていきます。
くも脹下出血は突然の頭痛で発症します。突然バットで後頭部を殴られたような衝撃と比喩されるような痛みで、また嘔気や嘔吐も生じます。半数くらいは意識障害をきたします。早期であれば頭部CTスキャンで診断可能です。原因は脳動脈瘤の破裂によることが多く、24時間以内の再破裂が多いため、症状が落ち着いていれば脳外科的に手術を行います。脳出血はその部位により症状は様々で、意識障害・片麻痺・痙攣などを突然生じます。頭部CTスキャンで発症直後から診断可能です。高血圧が重要な原因ですが、脳腫瘍や脳動静脈奇形やアミロイドアンギオパチーといった血管の異常が原因のこともあります。急性期は止血剤や,脳圧を下げる薬を点滴治療で行い、その後リハビリテーションを行います。出血の部位によっては進行性の意識障害に対して脳外科的に血腫吸引術を行う場合があります。
脳梗塞は脳卒中の中で最も頻度が高い疾患です。失語症や片麻痺などが代表的な症状ですが、突然症状が完成する場合と徐々に症状が進行していく場合(長い場合は一週間かけて)があります。脳の深部の細い血管がつまるラクナ梗塞、脳の動脈硬化により血流が途絶するアテローム血栓性、心臓などから血栓(血の塊)が脳の血管につまる塞栓症に分類されそれぞれ抗血小板療法、抗凝固療法など治療法は異なります。発症の仕方と既往症、さらに近年ではMRlの進歩によってその病型が早期診断できるようになり治療に反映されています。いずれも早期診断が可能となり早期治療により予後が変わりうる疾患です。これら症状があてはまるようであれば、しばらく様子を見ることはせずにすぐに御相談ください。
・