腎臓内科医師 廣瀬 真
慢性腎炎・糖尿病性腎症などにより徐々に腎機能が低下し、健常者の一〇%未満になると体内の老廃物や水分を充分に尿中に排泄出来ず、尿毒症や心不全といった生命に関わる事態に陥ってしまうため人工透析による血液浄化を考えなくてはなりません。
現在日本で人工透析療法を行っている患者さんのうち、九十五%は透析器と人工の透析膜を使って行う「血液透析」で透析しておりますが、残りの約五%は「腹膜透析」で透析しています。
腹膜透析には自分のおなかの中にある「腹膜」を使います。腹膜にも体内の老廃物や水分を濾し出す働きがあり、これを利用して透析を行います。予め腹腔内に透析用カテーテル(細いビニールチューブ)を手術的に埋め込み、そこから一日四〜五回、決められた時間帯に自分で透析液を交換することで透析を行います。
血液透析の場合、一回四時間・週に三回の病院での治療が必要となり、充分な時間が確保できない方や、寝たきりの御老人など通院が困難な方にとっては不向きな治療法です。
腹膜透析なら職場の医務室や比較的きれいな部屋であれば透析液の交換が可能であり、職場や自宅でも治療が行えます。食事や水分の制限も血液透析に比べそれほど厳しくありません。ただし、機械で行う血液透析と違って腹膜の機能には個人差があるため、透析効率にも個人差が生じてしまいます。腹膜機能は徐々に低下してくるため五〜七年で血液透析への移行や腎移植を考えなくてはなりません。また、おなかの中に透析液を入れるため、不潔な操作を行えば腹膜炎になってしまいます。
血液透析・腹膜透析ともに一長一短がありますが、腹膜透析についてもっと知りたい方は腎臓内科外来までお問い合わせ下さい。
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