平成16年2月1日号 
糖尿病

腎臓内科医師  中山 隆弘

 人類はその誕生から現在まで飢餓との闘いでした。その中で食事をとった時にエネルギーを肝臓に蓄え、食事を食べなくても血糖が下がらないようになりました。血糖を下げる必要がなかったため、血糖を下げるホルモンは膵臓から出されるインスリンただ一つしかありません。そのため、必要以上にエネルギーをとってしまう現代社会で糖尿病が増加してしまいました。

 血糖が高い状態が続くと血管が障害を受けます。糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経症、そのほか、脳血管障害、虚血性心疾患、閉塞性動脈硬化症など全身の血管に合併症を生じます。境界型糖尿病と言われている段階から血管の障害は進んでいることがわかっています。しかし、早期に治療すれば一部は改善します。

 治療は境界型糖尿病と言われたその日からはじめる必要があります。その内容は初期には食事療法と運動療法です。つまり、生活習慣を改善することです。数十年かけて出来上がった現在の生活習慣を改善することは非常に苦痛を伴います。まず、栄養士に食事内容の改善点を指摘してもらい実践します。医師から運動療法ができると判断されたら1日2回30分の有酸素運動を行います。目標体重を決め毎日体重計に乗り、定期的に外来で血液検査や尿検査を受けてその達成度をチェックしていくことも大切です。上手くいかない場合は短期間の教育入院も考えていただきたいと思います。そうすることで、規則正しい食事と運動で体重が減り血糖が下がることを経験できると思います。ぜひ、お腹が空いたらものを食べると言う悪循環を断ち切り、お腹が空いたら獲物をさがす(運動する)という祖先の生活を見なおしましょう。

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