平成16年2月15日号 
飛蚊症について

眼科医師  山川 弥生

 目の前に「黒い影がある」、「虫が飛んで見える」、「糸のような物が見える」などの訴えで眼科に受診される患者様がしばしばいらっしゃいます。このような症状がでることを飛蚊症といいます。

 飛蚊症は、眼内をみたすゲル状の組織であるしょうしたい硝子体に関係した病気によって起こります。生理的硝子体こんだく混濁、後部硝子体はくり剥離、硝子体出血、ぶどう膜の炎症による硝子体混濁などが主な原因です。このような硝子体のにごりがもうまく網膜に影となって映り、黒い影が目の動きとともに舞うように動くといった症状となって現れるのです。

 様々な病因の中でも飛蚊症の原因として最も多いのは、生理的硝子体混濁、後部硝子体剥離などの加齢現象です。硝子体は思春期頃から加齢による液化が始まり、それに伴い変性凝縮された繊維が浮遊し飛蚊症の原因になります。そして、中年以降になると硝子体の液化が進行し硝子体が前方に収縮する現象が起こります。これを後部硝子体剥離といい、著明な飛蚊症の原因になります。この現象は通常六十歳以降に起こるとされていますが、近視の強い眼には早く起こります。

 後部硝子体剥離自体は病的なものではありませんが、近視眼などで網膜に変性がある患者さんでは特に網膜剥離の原因になることもあります。また、糖尿病、高血圧などの疾患をお持ちの方は、硝子体出血により飛蚊の症状を訴える方がいらっしゃいます。

 飛蚊症の中に潜む網膜剥離、硝子体出血などの病気を見逃さないためにも、飛蚊症でお困り方は一度眼科医による眼底検査を受けることをお勧めします。眼底検査時には眼の調節力をなくす点眼薬を使用しますので、外来には公共の交通機関でお越しいただけると幸いです。

次のお話し

ホームページへ