平成16年8月15日号

胸痛の話

循環器内科医師  青柳 秀史

 「胸が痛いのですが・・・」
 

 日常外来の診察で、胸痛を訴えて来院される患者さんは多いです。
 

 一言で胸痛といっても、よくよく話を聴いてみると各個人様々です。まず、私たちは、その胸痛が、緊急の処置を必要とするか否かを患者さんの話の中からある程度判断し、病気を頭に浮かべます。
 

 では、どのような胸痛が危険なのでしょうか? 私たちは、以下のような症状がある場合、早急な対応が必要と判断します。
 

 例えば、「心臓を中心とした締め付けられるような痛み」「痛みにより冷や汗や吐き気、嘔吐がおこる」「上下に広がり移動する、引き裂かれるような胸・背部痛」「胸痛と呼吸困難が運動で徐々に悪化する」などです。これらは、狭心症や心筋梗塞、高血圧の患者さんに多く見られ大動脈が裂けてしまう大動脈解離、気胸や肺塞栓症(エコノミークラス症候群として有名)の症状です。これに加え、胸痛の起こったきっかけ、胸痛の持続時間、胸痛に伴った症状、治療中の病気など情報を集め判断します。これも非常に重要です。また、消化管に原因する痛みも胸痛や"みぞおちの痛み"として出現することがあり、注意が必要です。
 

 一方、肋骨・筋肉・胸壁の痛みは、表面的であったり、指一本で指し示したり、押して痛みがでたりすることがあり、前述の胸痛とは感じが異なります。早急に心電図、採血、レントゲン写真、必要ならば胸部のCTや内視鏡を施行し、診断し、治療します。検査をしたが器質的な病気はなく、精神的な胸痛が多いことも事実です。もし、胸痛を自覚するならば一度、循環器内科への受診をお勧めします。

 問診が重要なので、質問攻めになってしまうかもしれませんが、ご了承ください。

次のお話し

ホームページへ