平成16年12月1日号
むくみについて
腎臓内科医師 山本 弓月
むくみ(浮腫)とは、正確には組織間液という細胞と毛細血管の間にある液が異常にたまってしまった状態を指します。これにはさまざまな原因が考えられます。
まず思いつくのが、腎臓が悪いという場合です。尿は腎臓の中の糸球体という場所でつくられます。たとえば、腎臓の病気のひとつである糸球体腎炎では、病気が悪くなると糸球体で尿が十分につくることができなくなります。そうなると、体の中に水分がどんどんたまり、組織間液が増えてむくみが起こります。あるいは、血液中のたんぱく質が大量に尿中にもれ出しまうネフローゼ症候群という病気では、血液中のたんぱく質がへってしまい、そのためにむくみが出現します。血液中のたんぱく質が低下すると、組織間液の水分を血管の中に引き込むメカニズムがほとんど働かなくなってしまうからです。その結果がむくみとしてあらわれます。
けれども、逆に腎臓が悪くてもむくまない方もたくさんいらっしゃいます。実はかなりのむくみが、腎臓病とは無関係に起こりえます。その代表例が、心臓が悪くてむくむケースです。そして、肝臓が悪くてむくみが出ることもあります。この他、若い女性に非常に多く、現在のところまだ原因はつかめていませんが、体になんの異常もないのにむくむ、特発性浮腫と呼ばれる病気もあります。また利尿薬や下剤の使いすぎ、食事の不規則などでもむくみが出ることがあります。
このように、むくみがあるといっても、必ずしも腎臓が悪いというわけではありません。ですから、むくみが続くようであれば、専門医によくみてもらってなぜむくむのかをつきとめてもらうことが大切です。
・