平成17年9月15日号

湿布のはなし

整形外科医師  滝田 泰人

  湿布には、水分を多めに含んでいて多少厚みのある「パップ剤」と、薄いタイプの「プラスター剤」があります。パップ剤は水分の蒸発によって気化熱を奪うため冷却効果があります。一方、プラスター剤は水分を含まないので冷却効果がなく、どちらかというと慢性疾患に使われることが多いです。また、「冷湿布」、「温湿布」という分け方があります。冷湿布には局所の刺激・冷感作用のあるメントールなどが配合され、冷たさを感じる神経を刺激してひんやりとします。一方、温湿布はカプサイシン(唐辛子の成分)などを配合しているため温感が上がりますが、深部まで温めるほどの作用はありません。よく外来で患者さんから「どちらがいいのか?」と質問されますが、どちらも消炎鎮痛成分による効果は同じなので、使用して気持ちいい方を使うのが良いと思います。湿布の効果はあくまで配合されている消炎鎮痛剤の薬効が中心です(それに加え、温感・冷感による爽快感と皮膚表面の刺激作用で深部の痛みをまぎらわせることも期待しています)。ただ単に冷却を目的とするならば氷のうなどのクーリングが、温めるのであれば入浴、ホットパックなどが最も効果的でしょう。

 

 成分についてですが、病院で処方される湿布には通常インドメシンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)が含まれています(最近では市販の湿布でも同様のものがあります)。NSAIDsには強い消炎鎮痛効果がありますが、経口で用いた場合に消化性潰瘍や肝・腎機能障害などの副作用が問題となることがあります。しかし、動物実験の結果では湿布による血中薬剤濃度の上昇は経口の約十分の一で、逆に患部に達する薬剤濃度は飲み薬の三十倍に達します。湿布は皮膚から薬を吸収させて主に痛みのある部分に作用するため、副作用が少なく体にやさしい治療方法と言えるでしょう。

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