平成17年10月15日号
前立腺の病気
泌尿器科医師 泉 浩司
前立腺は尿道(おしっこと精液の通り道)を取り囲むようにある栗くらいの大きさの臓器で、イメージとしては睾丸と肛門の間の奥の方にあると考えてください。前立腺は精液の成分の二〜三割を作り出しています。当然男性にしかありません。年とともに前立腺の病気は増えてきます。その二大巨頭が前立腺肥大症と前立腺癌です。
前立腺肥大症とは文字通り前立腺が肥大する病気で、60歳で半数近くの人がこの病気だといわれています。最近おしっこが近かったり、勢いが弱かったり、夜中におしっこで起きてしまうことはありませんか?前立腺肥大症は良性の病気で、命を落とすことは基本的にありません。まずは内服薬で治療します。それでもよくならない場合は内視鏡で前立腺を削る手術もあります。
つづいて前立腺癌ですが、この病気はいま非常に増加しています。年間に約一万六千人人がこの病気にかかり、約八千人が亡くなっています。アメリカでは男性で最も多い癌で、日本でも近い将来第一位になるといわれています。天皇陛下もこの病気で手術をなされました。前立腺癌は早期にはほとんど症状がありませんがPSAという非常に優れた癌マーカーがあり、定期的に採血検査を行うことで早期発見が可能です。50歳を越えたら、もしくはご家族に前立腺癌の方がいらっしゃったらもっと若いうちからPSAの検査を受けてください。最近は健診や人間ドックでもPSAを測定するところが増えてきています。PSAは変化が大切です。一回だけの検査で安心せず、毎年一回は検査して、できればその数字をご自身で覚えておいて下さい。
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