平成18年6月1日号
睡眠時無呼吸症候群について
耳鼻咽喉科医師 黒田 寿史
みなさんは睡眠時無呼吸症候群という病気を知っていますか?
以前、新幹線の運転手の居眠り運転がおき、その原因が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であったということが報道され、この病気が注目されるようになりました。
日中の眠気やだるさ、集中力の低下、性機能低下などの障害を伴う睡眠時無呼吸症候群は成人の約五%に認められるといわれており、日本では二百万人程度の患者さまがいると推計されています。合併症としては高血圧、脳血管障害、不整脈などがあり最悪の場合には突然死を引き起こすこともあります。
無呼吸とは十秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が睡眠中に一時間あたり平均五回以上(または七時間の睡眠中に三十回以上)あるとき睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
睡眠時無呼吸の多くは睡眠中に上気道(のどのあたり)がふさがっておきます。上気道がふさがる原因としては肥満、扁桃腺の肥大、アデノイドの肥大、舌根沈下(舌の付け根がのどに落ち込んでしまう状態)などがあげられます。
睡眠時無呼吸症候群の診断を確定するには、睡眠中の無呼吸の程度や血液中の酸素飽和度などを記録する器械を装着した状態で寝ることにより行います。その結果をもとに重症度を判定し、重症と診断された患者さまには睡眠中の呼吸を補助する鼻マスク持続陽圧呼吸法(CPAP療法)や、形態的な異常を伴う場合には手術療法により治療を行ないます。
当院でも簡易の検査機器ですが、一泊二日の入院検査、重症の睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法を行っておりますので、睡眠時無呼吸症候群をご心配されておられる患者さまがいらっしゃいましたら、耳鼻咽喉科外来の受診をおすすめします。
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