平成18年6月15日号

歯牙脱臼について

口腔外科医師  関口 達也

  転んだりして歯を強く打った経験はありませんか?

 

 軽い打撲程度なら心配ありませんが、非常に強い力が歯に加わると歯がグラグラしたり抜け落ちてしまうことがあります。このような状態を総称して歯牙脱臼といいます。歯が完全に抜け落ちてしまうことを完全脱臼、完全に抜けていない状態を亜脱臼といいます。歯牙脱臼は早期に治療を行えばきちんと治りますが、放っておくと歯がずれたまま固定してしまったり抜け落ちてしまう事もあります。

 

 歯は歯槽骨(歯を支えている骨)に直接着いていません。歯と歯槽骨の間には歯根膜といわれる靭帯があり、歯は歯根膜によって支えられています。抜けた歯がきちんと戻るかどうかは、歯根膜が重要なポイントになります。歯が抜け落ちてしまうと歯根膜が乾燥してしまい、もとに戻りにくくなってしまうのです。

 

 歯が抜けてから三十分以内に治療した場合の生着率(歯が戻る確率)は非常に高いとされていますが、時間が経つにつれ生着率は低くなります。歯が完全に抜けてしまった場合は、水(スポーツ飲料、牛乳、生理食塩水)を入れたコップやペットボトルの中に抜けた歯を入れて持って来て下さい。泥や砂がついている場合は軽く水ですすいでも良いですが、拭いたり洗いすぎると歯の表面にある歯根膜が剥がれてしまいますので、そのまま持って来ていただいて結構です。

 

 脱臼した歯は元の位置にもどして、隣の歯と固定をします。固定期間中は、硬い食べ物を除けば食事は普通にできます。四週間程の固定を行うと、ほとんどの場合、歯は元通り使えるようになります。

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