平成18年7月1日号

尿蛋白について

腎臓内科医師  佐藤 かすみ

  いままでに検診や定期検査で蛋白尿を指摘されたことはありませんか?

 

 腎臓は血液から尿をつくり、体内の老廃物や余分な水分を尿として排出しています。腎臓には糸球体と呼ばれる装置があり、フィルターのようなしくみで血液中の蛋白は排出されないようになっています。それでも漏れ出てしまう小さな蛋白も、そのあとに続く尿細管という装置でほとんど吸収されてしまいます。何らかの原因でこのような装置に障害が生じたり負荷がかかったときに、尿に蛋白が出てしまうのです。

 

 蛋白尿には、原因により次の四つのタイプがあります。

 

一. 生理的蛋白尿:長時間の立った姿勢、熱発などの負荷がかかったときに認められるものです。蛋白尿の程度も軽度で、原因が除去されれば消失します。

 

二. 腎前性蛋白尿:多発性骨髄腫、横紋筋融解症などの病気によって、血液中に不要な蛋白質が大量に生じ、尿にあふれ出てきてしまうものです。この場合にはその原因となる病気に対する治療が必要になります。

 

三. 腎性蛋白尿:腎臓の糸球体か尿細管のどちらかあるいは両方が障害されたために起こるもので、病的な蛋白尿の多くがこの腎性蛋白尿です。障害される原因や蛋白尿の量・質もさまざまで、腎臓内科での精密検査・治療が必要になります。

 

四. 腎後性蛋白尿:尿管や膀胱などの腫瘍、結石、感染症といった尿路の病気に伴うものです。泌尿器科での検査・治療が必要になります。

 

 生理的蛋白尿は様子をみてかまいませんが、その他の蛋白尿の場合には適切な治療を行わないと重大な病気に進行する恐れもあります。蛋白尿を指摘された場合には症状がないからと放っておかずに、受診してどのタイプか見極めてもらいましょう。

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