平成18年7月15日号
骨折の話

整形外科医師  河野 龍太

 打撲も骨折も基本的には外傷により生じます。ともに、触ったり動かしたりすると痛みを生じます。では、どう違うのでしょうか??

 分かりやすく言うと、痛みや脹れは骨折の方がひどい場合が多いです。慌てて整形外科を受診する前に、まず以下のような処置を行ってください。

 まず固定して動かないようにします。そして手足の場合は挙上します。氷枕などを使用して冷やすのも非常に有効です。風呂は控えて頂いた方が良いです(暖めると痛みが増強するため)。専門的に言うとRICE(R : rest 安静 I : ice 冷却 C : compression 圧迫 E : elevation 挙上)で、翌日も痛みがひどい場合は改めて整形外科を受診していただく方が賢明です。ただし、一回のレントゲン撮影では骨折と分からない場合もあります。症状が持続もしくは増強する場合は再度レントゲン検査を行う必要があります。

 骨折も状態によって保存(ギプスなど)から手術までさまざまな治療法があります。転位が大きい(たくさんズレている)状態や、関節内骨折(関節の機能が悪くなる)の場合は、ほとんどが手術適応となります。転位が軽度で、そのままでも骨癒合が得られる骨折は保存療法となる場合が多いですが、日常生活が大きく障害される骨折(転位の軽度な大腿骨頚部骨折など)は、受傷前の生活のレベルに一日でも早く戻れるように手術を行う事が多いです。

 手術で使用するインプラント(金属)には様々なものがあります。ただのワイヤー(太さも様々)やスクリューからプレート(これも様々な特徴があります)、髄内釘(読んで字の如く、骨髄の内に挿入する釘)、人工関節のようなものまであります。材質もステンレスやチタンなどがあります。

 骨癒合が得られた後は、抜去するものもありますが、そのまま体内に入れっぱなしの場合もあります(抜く目安は術後一年半前後が多い)。

 骨折の予防として、無理な運動を避ける・危険なスポーツをしない(程度によります)・転倒しないなどがあります。特に高齢者の方では、「転ばぬ先に杖」を使う、自宅を改修し段差をなくす、など積極的に転倒防止に取り組む必要があります。

 また、術後は患者本人がリハビリに積極的に取り組んで頂かないと、手術の効果を最大限に生かすことが出来ません。PT・OTの指導の下、きちんとリハビリを行ってください(我流はお勧めいたしません)。

 「どれくらいで完治?」とよく聞かれますが、受傷前の状態、骨折の状態、術後リハビリの進行具合によって随分と左右されますが、最低二〜三ヶ月くらいは必要です。

 骨折しない事が一番重要ですが、骨折した場合は医師・PT・OTの指導の下に積極的に加療に参加していただく事が、完治への近道です。

次のお話し

ホームページへ