平成18年8月15日号
脳梗塞について

神経内科医師  遠藤 雅直

 脳梗塞とは、脳の細動脈に血栓、凝固塊、脂肪塊などが詰まって、脳細胞が壊死する病気です。動脈硬化があると詰まりやすく脳梗塞になりやすいのです。脳梗塞には次の3タイプがあります。

 1)ラクナ梗塞:高血圧の人に多く、脳の細い血管が詰まるタイプで特に睡眠時に多く発症します。梗塞部が小さいので症状が比較的軽いのが特徴です。

 2)アテローム血栓性脳梗塞:生活習慣病の糖尿病、高血圧、高脂血症による動脈硬化で脳の太い動脈や頚動脈が詰まるタイプで特に睡眠時に多く発症します。

 3)心原性塞栓症:心臓内にできた血栓が脳血管をふさいだ時に突然の発作としておこるタイプで日中活動時に多く発症します。

 症状としては、しびれ、感覚の低下、手足の運動障害、意識障害、言語障害などがみられます。

 脳梗塞の危険因子としては、60才以上の人、脳卒中の家族歴のある人、動脈硬化、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病をもっている人、喫煙、大量飲酒、ストレスなどです。

 急性期には抗血栓療法、脳保護療法、抗脳浮腫療法があります。抗血栓療法には、血小板の働きを抑えて血栓ができるのを防止する抗血小板療法とフィブリンができるのを防止する抗凝固療法があります。組織プラスミノーゲンアクチベータを用いた血栓溶解療法が、わが国でも2005年10月より健康保険に導入されました。脳保護療法には活性酸素の働きを防止するエダラボンという薬剤を発症後24時間以内に使用すると後遺症が軽減されます。

 再発を防ぐには血液をサラサラにして血栓を作らないようにすることが重要です。そのために抗血小板薬としてアスピリン、塩酸チクロピジン、シロスタゾールなどを用います。またフィブリンができるのを防ぐためにワーファリンを用います。この他、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を管理し、適度な運動、禁煙、禁酒が必要です。

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