口腔外科医師 池谷 進
口腔癌とは口の中およびその周辺にできる癌のことで、できる部位によって舌癌、歯肉癌、頬粘膜癌、口唇癌などがあります。日本における口腔癌の発生頻度は全癌の約一%と少なく、そのため、よく知られていません。歯肉癌では「えっ、歯ぐきに癌ができるの?」という人がたくさんいます。癌は体のどこでもできるので覚えておいてください。
口腔癌の特徴は、潰瘍のように掘れこんでいてその周囲が硬くなる、赤くただれる、おできのように膨らむ、口の中の一部が白斑のように白くなるなどの症状です。
原因ははっきりと分かっていませんが、タバコや合わない入れ歯を入れて慢性的な潰瘍を放っておくと癌になりやすいと言われています。
口腔癌の治療の第一選択は手術で、大きさによって癌組織のみ、あるいは頚のリンパ節を含めて拡大切除します。口腔癌の場合、切除部が顎の骨、顔面、頚に及ぶため、術後に咀嚼障害、嚥下(飲み込み)障害、発語障害、顔貌の変形などの後遺症を残します。しかし、最近は顕微鏡を用いた移植手術によりこれらの後遺症は少なくなってきています。その他の方法として放射線治療や化学療法があります。どの方法もひとつでは効果が不十分なので、組み合わせて治療することがほとんどです。
最近、口腔癌の治療成績はかなり向上してきました。しかし、かなり大きな癌であったり、頚のリンパ節や肺に転移があったりすると予後はかなり悪くなります。口腔癌は口の表面に発生するので、直接見て触ることができます。ということは、早期発見、早期治療が可能です。おかしいと感じる方はお気軽に口腔外科を受診してください。
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