泌尿器科医師 井口 梢
膀胱炎はその名のとおり、膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、その多くは、細菌によるものです。特徴的な症状は「頻尿」「痛み」「尿の濁り」です。具体的には「ちょっと前にトイレに行ったのに、またすぐ行きたくなる」「トイレに行っても行っても、なんか尿が残っている気がする」「尿の終わりにズーンとした痛みがある」といった症状です。また、尿が白く濁ったり血が混じることもあります。膀胱炎と診断されたら、抗生物質が処方されます。内服してから二、三日で症状が軽快するのでその時点でお薬を飲むのを止めてしまいがちですが、細菌をきちんと死滅させないと、再発を繰り返す可能性が高くなるので、処方された日数服用しましょう。
膀胱炎は女性の方がかかりやすいと言われます。女性は外尿道口と肛門が近く、尿道が男性に比べて短いので、便の中の細菌が逆行して膀胱に入りやすいのです。膀胱炎は大仰な原因があるというよりは、「泌尿器科分野の風邪」といったところではないでしょうか。ある意味、風邪と同じですから、水分をしっかりとって体を温め、休息をとることにより、早く治ったり、ぶり返すのを防ぐことができます。
膀胱炎では熱は普通出ません。初めに書いたような症状があり、悪寒や高熱、腰痛が起こった場合は、炎症が腎臓に波及している可能性も高いので、早めに泌尿器科を受診してください。また、膀胱炎だと思っていても、結石ができていて同じような症状が出ることや、膀胱がんが隠れていることもあります。さらに、抗生物質では治らない間質性膀胱炎という病気もあります。「風邪は万病の元」と言われるように、たかが膀胱炎、されど膀胱炎。気になることがあれば、泌尿器科を受診してください。
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