平成19年7月1日号
口腔乾燥症について

口腔外科医師  石田 璃久磨

 最近テレビや新聞などで取り上げられる機会が増えており、ご存知の方も少なくないでしょう。口腔乾燥症とは字の如く、口の中が乾燥してしまう病気です。健康な人の口腔内は、絶えず唾液で満たされています。そもそも唾液は舌、頬粘膜、口蓋、口唇など口を構成している各組織の中にある唾液腺と呼ばれる唾液を産生する小さな工場から排泄されています。緊張した時や、寝起きに口が渇くように、唾液腺は体の状態や環境に左右されやすい組織です。口腔乾燥症の多くは何らかの原因で唾液の排泄量が減少してしまうことで発症します。症状は、口臭、味覚障害、虫歯の多発、口内炎の多発、舌痛、口の中の灼熱感、咀嚼障害、嚥下障害などが挙げられます。

 原因としては、ビタミン不足、薬物の副作用、免疫機能の異常(自己免疫疾患)、加齢現象、神経症などの情緒障害が考えられています。しかし、原因を除去することが困難な場合が多いこと、また除去することができても症状改善に結びつきにくいことがこの病気の大きな特徴です。体調や精神的な問題に非常に影響を受けやすく、症状にも波があるのが一般的です。

 この病気は五十歳以上の女性に発症することが多く、その他の病気で普段から薬を何種類も服用している方が特に羅患しやすい傾向にあります。目や鼻などにも乾燥が認められる場合は、シェーグレン症候群という疾患も疑われるため細かい検査が必要になります。お心当たりの方は、お気軽に口腔外科外来を受診して下さい。

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