婦人科医師 新井 努
1970年ではわが国における子宮体癌は子宮癌全体の3%とされ、発生率の低い腫瘍であった。同じ時期の欧米における体癌は子宮癌全体の20%とされていた。その後30年で体癌は著しく増加しわが国では40%以上、欧米では約70%を占めるとされている。
体癌の好発年齢は閉経前後にあるとされ五十歳代で、ついで六十歳代、四十歳代となっている。
また発生年齢や予後の違いから体癌は二種類に分けられるようになりエストロゲン依存性で比較的若年者に発生する予後良好なタイプ@と、エストロゲンと関連せず高齢者に多く予後不良なタイプAに分類されている。組織学的にはタイプ@は高分化型もしくは中分化型類内膜腺癌、タイプAではしょうえきせい漿液性腺癌、明細胞腺癌、低分化型類内膜腺癌が多いとされている。
体癌のハイリスク因子とされるのは未婚、月経不順、不妊、閉経後、初婚年齢・初妊年齢が高いこと、妊娠出産回数が少ないことが文献的には挙げられており、他にも肥満や動物性脂肪の過剰摂取などがいわれている。本邦においても女性のライフスタイルの変化に伴い、上記リスクの増加が頻度上昇の原因と考えられている。
症状としては不正性器出血が多数を占め、ほかに下腹痛や帯下異常があげられる。
体癌のスクリーニングには子宮内膜細胞診が行われ、各施設で相違はあるが確定診断に用いられる内膜組織診と同等の感度・特異度があげられている。ほかに経腟超音波検査も用いられている。
進行期T〜U期(病変が子宮内に限定)であれば治療成績はよく、五年生存率は約80〜90%とされているので、この段階でのスクリーニング・治療が大切である。
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