平成19年12月1日号
変形性関節症について

整形外科医師  中村 春彦

 関節の痛みを生じる疾患はさまざまですが、その中でも比較的頻度の高いものとして変形性関節症があります。変形性関節症とは、長期間をかけて関節に負担がかかることによって関節の軟骨が擦り減り、進行すると関節付近の骨が変形する疾患です。関節痛、運動制限、変形、関節液の貯留などの症状をきたします。そのため、股関節や膝関節に生じれば歩きづらくなり、手に生じれば使いづらくなります。

 頻度は高く、全身のX線を撮影すると、成人の半分以上、七十五歳以上では八〇%以上の人に、いずれかの関節に変形性関節症の所見があるという報告もあります。しかし、その全ての人に症状がでるわけではなく、個人差があります。一般に普段の運動量の高い人の方が症状が出やすいといわれています。

 あらゆる関節に生じますが、特に受診される方の中で多いのは指、膝、股関節、脊椎などです。

 指の場合は関節リウマチとの区別が重要になりますが、変形性関節症では遠位指節間関節(一番指先の関節)に痛み、変形を生じることが多く、この部位では関節リウマチの可能性は少ないでしょう。その他の複数の指の関節の痛みを生じる場合には一度関節リウマチの検査をしたほうがよいかもしれません。

 治療法は部位や状態によっても異なりますが、局部の安静、ストレッチ、装具、鎮痛剤(飲み薬、貼り薬、塗り薬)、注射、手術、体重コントロール(下肢の場合)などがあります。

 現在の医療では擦り減った軟骨を元に戻すことは難しく、症状の緩和(痛みを和らげたり、使いやすくしたりする)を目的とした治療が主となります。軟骨再生に関する研究が現在進められており、今後の成果が期待されます。

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